医薬品個人輸入のリスク【危険性】詐欺・偽物

医薬品個人輸入代行の法律

医薬品の個人輸入は、国内では手に入らない薬を手に入れる手段として利用されていますが、その一方でリスクも存在します。特に、詐欺や偽物のリスクは避けて通れない問題です。今回は、医薬品個人輸入の危険性について詳しく解説します。

目次

個人輸入はリスクもあります

個人輸入を利用する際には、さまざまなリスクが伴います。便利で手軽に海外の医薬品を入手できる反面、詐欺や偽物のリスク、さらには健康に対する影響など、多くの危険が潜んでいることを理解しておく必要があります。

①詐欺の可能性

まず考慮すべきは、詐欺のリスクです。インターネットを通じて医薬品を個人輸入する場合、詐欺行為を行う悪質な業者に引っかかる可能性があります。例えば、注文した商品が届かない、支払った金額が返金されない、そもそも存在しない商品を販売するなどのケースが報告されています。これらの詐欺行為は、特に信頼性の低い新しい業者や、異常に安い価格で商品を提供する業者に多く見られます。

個人輸入を行う際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。利用者の口コミやレビューを確認し、実績のあるサイトを選ぶことで、詐欺のリスクを減らすことができます。

②偽物の可能性

次に、偽物のリスクも無視できません。特に高価な医薬品や需要の高い薬品では、偽物が出回っていることが少なくありません。こうした偽物は、外観が正規品とほとんど変わらないため、見分けるのが非常に難しいです。しかし、偽物の薬を服用することで、効果がないばかりか、健康に深刻な被害をもたらす危険性もあります。

例えば、成分が異なる、あるいは成分の量が不正確な薬を服用することで、予期せぬ副作用が出たり、病状が悪化したりするリスクがあります。このような事態を避けるためにも、信頼性のあるサイトを通じて購入することが重要です。また、商品の価格が極端に安い場合は、偽物である可能性が高いと考え、慎重に判断する必要があります。

③健康以外の可能性

医薬品個人輸入には、健康に直接関係しないリスクも存在します。例えば、個人情報の流出や、違法行為に巻き込まれる可能性などが挙げられます。海外の業者を通じて購入する場合、個人情報が不正に使用されるリスクが高まります。また、購入した医薬品が日本国内で規制されている場合、違法行為として処罰される可能性もあります。

【法律】注文量の制限【個人輸入はルールが必要です】

医薬品の個人輸入は、国内では手に入らない薬を入手する手段として便利ですが、法律で厳しく規制されています。個人輸入にはルールがあり、それを守らなければ違法行為に問われる可能性があります。ここでは、医薬品個人輸入における注文量の制限について詳しく解説します。

要指示薬(医薬品の中でも特に指定のあるもの)1ヶ月

まず、要指示薬とは、医師の指示が必要な医薬品のことで、特に効果が強い薬や使用に注意が必要な薬品が該当します。この要指示薬を個人輸入する場合、注文できる量は1ヶ月分に制限されています。これは、誤用や過剰摂取を防ぐための規制であり、これを超える量を注文することは法律で禁止されています。

要指示薬は、使用方法を誤ると重大な副作用を引き起こす可能性があるため、医師の指導のもとで適切に使用することが求められます。そのため、個人輸入においても、1ヶ月分を超える量を注文しないように注意する必要があります。

医薬品2ヶ月

一般的な医薬品に関しても、個人輸入の際には注文量に制限があります。具体的には、医薬品は2ヶ月分までしか注文できません。これは、医薬品の安全な使用を確保し、個人が過剰な量を購入して自己判断で使用することを防ぐための規制です。

例えば、慢性疾患の治療薬などを海外から個人輸入する際でも、2ヶ月分を超える量の注文は違法となります。これを守らない場合、法律に違反することになり、罰則が科される可能性があるため、注意が必要です。

医薬部外品(育毛剤など)24個

医薬部外品、例えば育毛剤やスキンケア商品なども、個人輸入には制限があります。具体的には、24個までが個人輸入で許可されている数量です。医薬部外品は、医薬品に比べて安全性が高いとされていますが、それでも過剰に輸入して転売したり、自己使用を超えて使用することは法律で禁じられています。

これらの制限は、個人輸入が自己使用を目的としたものであることを前提としています。もし24個を超える量を注文したい場合は、事前に法律を確認し、正当な理由がない限りは注文量を抑えることが求められます。

【違法行為】自己使用以外NGです

医薬品の個人輸入は、あくまで自己使用が前提とされています。これに反して第三者に譲渡したり、販売することは明確に違法行為とされており、厳しい罰則が科される可能性があります。

第三者に譲渡は違法です

個人輸入した医薬品を他人に譲渡することは、薬事法に違反する行為です。たとえ家族や友人であっても、輸入した医薬品を分け与えることは違法となります。医薬品はその性質上、使用方法や量に細心の注意が必要であり、個人が判断して他人に譲渡することは重大なリスクを伴います。

特に、未承認薬や要指示薬の場合、その薬が他人にとって安全かどうかは医師の判断を仰ぐべきであり、個人の判断で他者に譲渡することは絶対に避けるべきです。法律はこうしたリスクを未然に防ぐために厳格な規制を設けています。

薬事法違反の事業者の注意

医薬品の個人輸入は、便利である反面、さまざまな法的リスクが伴います。特に注意すべきは、薬事法に違反する事業者の存在です。こうした事業者を利用してしまうと、消費者自身が知らないうちに違法行為に関わってしまう可能性があります。ここでは、薬事法違反に関する注意点について解説します。

原則として「個人輸入は推奨されない」

まず、薬事法では医薬品の個人輸入自体が原則として推奨されていません。日本国内で認可されていない医薬品を個人輸入する行為は、消費者にとって多くのリスクを伴います。特に、品質が保証されていない医薬品を自己判断で使用することは、健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、厚生労働省などの公的機関からも注意喚起がなされています。

医薬品は、その効果や安全性について、厳格な審査を経て認可されるものです。未承認薬を個人輸入して使用することは、こうした審査プロセスを経ずにリスクを背負う行為であり、推奨されるものではありません。

未承認薬の効能紹介は薬事法19条違反

さらに、未承認薬の効能や効果を宣伝する行為は、薬事法第19条に違反する行為とされています。薬事法第19条では、承認を受けていない医薬品の広告や販売促進活動を禁止しています。これは、消費者が誤った情報に基づいてリスクの高い医薬品を使用することを防ぐためです。

例えば、未承認のダイエット薬や治療薬を「確実に効果がある」などと宣伝して販売する業者は、明確に法律違反を犯していることになります。こうした違法な業者を利用してしまうと、消費者自身も法的リスクを負う可能性があるため、注意が必要です。個人輸入を検討する際は、こうした違法行為に関与していないかどうかを確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

医薬品の個人輸入は原則非推奨【まとめ】

医薬品の個人輸入は、特定の状況においては便利な手段であるものの、多くのリスクが伴う行為です。法律の規制が厳しい背景には、消費者の健康を守るという大きな目的があります。

個人輸入には、詐欺や偽物、そして法的リスクなど、さまざまな危険が潜んでいます。特に、未承認薬や要指示薬の個人輸入は、健康に対するリスクが大きく、さらに法律違反に問われる可能性もあるため、非常に注意が必要です。また、第三者への譲渡や販売は厳格に禁止されており、これらの行為に関与すると刑事罰が科されることもあります。

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監修

川又 友彰のアバター 川又 友彰 代表取締役

株式会社スリピ代表取締役社長。かい行政書士事務所代表行政書士(日本行政書士会連合会第21080673号)。

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